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自動車業界で働いていた私が思う、「トップダウンは会社をだめにする」2つの理由

こんにちは!自動車部品会社のOLを卒業して3年目のaimi(@aiaiminini)です。
このところ、日産自動車と神戸製鋼の品質についての不祥事が相次いでいます。
特に前職は日産の直の下請け会社だったというのもあり、他人事とは思えず、ニュースをチェックしていました。
【参考記事】
[blogcard url=”http://www.sankei.com/west/news/171011/wst1710110031-n1.html”]
記憶に新しいものだと、自動車関係なら東洋ゴム(これは建物の免震器具の偽装ですがタイヤ部門にも大きな影響)、三菱自動車、タカタでもありました。
東洋ゴム旭化成東芝三菱日産に続き神戸製鋼も偽装かぁ
電通NHKも過労死出したし
食品も産地偽装や産地ロンダリングが日常茶飯事日本企業本格的に終わってんなぁ
中国製とか笑ってられんだろ、競争力落ちてる上に信用までなくしていってる
まさにオワコンって言葉がふさわしい状態— ハイデン@木魚っくす (@HEIDEN_) 2017年10月9日
企業としてやってやってはいけない事、東洋ゴムに続いてです。
ハッキリ言って日本の物づくりにの危機です。
神戸製鋼の強度偽装部品、トヨタ・MRJ・新幹線採用 https://t.co/m7V5rarpxk— kazuma matsuo (@kmatsuo1954gma1) 2017年10月8日
自動車部品メーカーはまぎれもなく、「自動車メーカー」の下請けに当たりますので、「トップダウン」の構図になります。
トップダウン (top-down) は、頂点 (top) から下に (down) という意味。対義語はボトムアップ (bottom-up)。~wikipediaより引用
もちろん、部品メーカーとして自動車メーカー側に提案などする場合もありますが、私のいた会社では自動車メーカー側が「こういうものを作ってほしい」とある程度カタチになったものを、各部品メーカーで設計図を元に実際作り&見積もりを取り合い仕事を取っていくという形をとっていました。
これが「トップダウン」形式です。ほとんどの自動車部品会社が社内的にも社外的にもとっている形式です。
ここでは、自動車部品メーカーの試作チームや生産チームに携わったことのある私が、「トップダウンは会社をだめにする」理由2つを考えてあげていきます。
「トップダウンは会社をだめにする」理由2つ
「得意先や上司の言うことを聞く」事が目的になってしまっていて周りや自分を省みない
今回、日産で問題にもなった「検査成績書」の例をとってみましょう。
「検査成績書」とは、得意先に「この製品はメーカー様の要求値を満たしています」と証明する書類の事です。
ある日、同じチームのAさんが得意先に出す試作品の「検査成績書」を作っていました。
しかし困ったことに、
- 1データが外れていた。
- 「上司は出張で外出中。今は15時。このデータの締め切りは製品積み込みの時間、17時まで。どうしよう?」
- 上司に電話で指示を仰いだところ、「もう1回、別のn=5で行ったデータでいいよ」といわれた
- 「もう一度やってみよう」
- 「次のデータは外れていないからこれを書き込もう」
Aさんは何の疑問もなく上司の指示通りに動きました。
・・・以前いた会社ではこのような事は日常化していました。なんせ上司は出張も多く、1日いないことも多かったですし。
ここで一番問題なのは、
- 「検査結果が外れていること」が問題と思わず、「上司のいっていること」を善しとしていること。
- 時間に間に合わないような検査
1も2も終わってしまえばAさんに責任が及ぶことはありません。この場合だと責任は上司になります。ただ、社会的な責任はというと・・・・取れてないでしょう。
「できない」と言いづらい環境
これは前項に絡んでくるのですが、前職では「時間に間に合わないような検査」も日常茶飯事でした。
たとえば破壊検査。部品の強度を見る機械です。
それが問題でした。社内でたったひとつの機械ですべて検査を行うので、その機械が空くまではほかの人が使えません。
そもそもそれ自体が間違っていると思いませんか?たとえ早く検査対象の部品を受け取れても検査開始が遅れてしまったり・・・・
その前に部品受け取りが生産遅れで締め切り前日の定時直前、そのあと徹夜で検査し続ける・・・ということもありました。
でも、得意先には「検査成績書だけあとで速達で送ります」とは絶対言わないし、言えないんですよね。言えばいいのに・・・・。
あせって徹夜で作ったデータなんてまちがいの数値が入っている可能性もなきにしもあらず・・・・。深夜ですからチェック機構もありません。
信頼があれば、メーカーもボトムアップ要望、受け入れると思うよ
それから1年後でしょうか。
試作チームを出て生産チームで勤務していた際、「ライン生産遅れ」で某メーカーに電話連絡をしたことがありました。
「困ったときはお互い様です、在庫は○○個でデポ倉庫にありますので、次の便で追加で対応でいいですよ」と言ってくださったのです。
そのとき「拍子抜け」したんですよね。
恐れ多いと思って本当に困ったときにしか連絡することがなかった某メーカー。変に萎縮せず、コミュニケーションは普段からとっておいたほうがいいと思いました。
困ったときは正直に話せば、「聞かなきゃ取引をやめる!」とかないと思うんですよね、個人的に。
実際、東日本震災の際は得意先ラインストップ、部品がはけなくて大量に自社工場で抱えてしまったことがありました。部品を送ろうとしても在庫がいっぱいで引き取ってくれません。
その際は、デポ倉庫のことで得意先からじきじきにお電話いただきました。あの時はほんとうに身動きが取れなく、すがる思いで電話を取りました。
・・・なので、変に「こうじゃなきゃいけない」って事はなくて、困ったときは正直に聞いてみたほうがいい!
相手も会社であり人間ですし、話くらいは聞いてくれると思うんですよね。話したら妥協策も見えてくる可能性も大きいです。
以前の雪印の食中毒騒動でしたら、雪印は多数のスーパーから「取引やめる!」と言われる問題などがありましたよね。
重大事故が起きて大事になり安全・信頼を失うよりいいと思うんですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?少々熱が入ってしまいましたが、言いたいことが言えてすっきりしています。
国内向けの自動車メーカーは現在、市場が冷え切っているので、海外向けが好調なのでありますが、こんなに不祥事が続くと海外のお客さまに「選んでもらえるメードインジャパン」でなくなってしまうと思うんですよね。
つまり、「メードインジャパン」にもう価値がなくなってきている、ということなのでしょう。悲しいことですが。実際スマートフォンも海外製が売れ筋だったりしますしね。
15年間、自動車部品メーカーにいた私がニュースを見て黙っていられなかったので書いてみた記事なのでした。
以上、『自動車業界で働いていた私が思う、「トップダウンは会社をだめにする」理由2つ』の記事をお送りしました。
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